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介護食とは?介護に関わる栄養士さん必見!

23/01/05 17:56

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食事は、人間が生きていくために必要なだけでなく、豊かな毎日を送るためにも無くてはならないものです。

 

しかし、高齢者食や介護食は要介護者に応じた調理法・食材が求められるため、難しいと感じたり同じようなメニューになってしまったりすることもあるでしょう。

 

そこで、介護士さんや調理師さん、栄養士さんなど、介護施設で働くスタッフの方向けに徹底調査しました!

 

利用者の食に興味がある介護士さんや施設の食事を見直したいという介護士さんは、最後まで一読してみてください。

 

 

 

 

『介護職』について調べていると『高齢者食』という似たようなワードが出てきました。

 

介護職と高齢者食の違いはなんでしょう?

 

高齢者食とは?

 

特別な食事ではなく加齢に伴って起こるからだの変化に適応した食事をいいます。

 

1.食べやすさが工夫されている食事

2.彩り、香り、形状、および盛り付けが工夫されている食事

 

例えば、噛む力が低下して、歯ごたえを感じる食材やかみ切ることが難しい食事の場合、

すべて細かく刻まれた食事よりも、ひと口サイズに切ってあった方が食べやすいこともあります。

また、見た目にわからなくとも、食材に包丁が施されていることでかみ切りやすくなります。

 

そして、食欲が低下しがちな方のために彩り、香り、形、盛り付けの工夫で「おいしそう!」と思い五感を使って食べるような工夫が大切です。

このように「食べたい」、「食べよう」と思わせてくれる食事環境であるかということが高齢者の低栄養を防ぎ介護予防へとつながります。
 

 

つまり高齢者食とは、

若者よりも栄養素が必要な高齢者のために、

五感を刺激し、食欲を増進させ、且つ食べやすい食事。

 

 

では、本題の『介護職』とは・・・?

 

 

 

 

介護食とは

 

食事について特別な制限がない、健康な人向けの食事を「通常食」と呼ぶのに対して、

噛む力や飲み込む力が弱まっている人が安全に食べられるように調理方法などを工夫した食事が「介護食」です。

 

高齢者食よりもさらにかむ力、飲みこむ力など弱まった機能を補ってくれる食事です。

介護食は、少しずつ弱まった機能を補ってくれる食事であることが大切です。

かむ力が低下しているならば、やわらかさを調整した食事。

飲み込むことが難しいのならば、とろみをつけてまとまりやすく、飲み込みやすく配慮された食事であるかなど、

ある程度個人の食事状況に合わせた食事提供がされているかがチェックポイントとなります。

万一、食べる機能が低下しても「おいしい」と味わうことが健やかに生きるために大切な食事となります。

 

 

引用:https://www.irs.jp/article/?p=134

引用:https://kaigo.homes.co.jp/qa_article/15/


また、ケアスルでは、介護食の重症な理由を以下のように記載しています。

 

 

介護食が重要とされる理由としては、次の3つがあげられます。

・食事の楽しみを得るため

心身ともに健康であることが介護では重要であり、体が元気でも精神的に疲労していると、体の調子が悪くなってしまうことも少なくありません。

・栄養をつけるため

高齢者は一般的に若い頃よりも食欲が低下するため、やわらかい食材など食べられる物が限られたり、食べる量そのものが減ったりして栄養不足になっていることがあります。

・低栄養素状態を回避するため

栄養不足になると、脳にも十分な栄養が行き渡らなくなり、その結果、認知機能の低下をもたらすおそれも指摘されています。

 

介護食の重要性を把握して、要介護者や高齢者にとっていかに大切なものであるかを理解しておきましょう。

 

要約すると・・・

 

『介護食』とは、

 

ある程度、身体機能が衰えていない高齢者向けの高齢者食に対し、

介護食は噛む力、飲み込む力が低下した方のそれぞれの症状に合わせた食事です。

様々な理由で食べる機能が低下したとしても、食事はおいしく食べていただきたいですよね。

 

 

 

介護食について調べていると、4つの専門用語・単語が頻出していました。

 

・咀嚼

・嚥下

・スマイルケア食

・ユニバーサルデザインフード

 

ひとつずつ解説していきます。

 

咀嚼(そしゃく)

 

食べ物をかみ砕くこと。

 

咀しゃくしやすい介護食のPOINT!

 

現存する咀しゃく機能に合わせて固さや大きさの工夫を!

・固さの工夫:かみやすい、つぶしやすい固さに。
・大きさの工夫:食べ物の固さによって、大きさを調整。(すべてを刻んだ食事にしない)
・まとまりの工夫:口の中でかみ砕いていくとまとまりのある方が食べやすく、喉の奥に送り込みやすい。
・調理方法の工夫:蒸す、煮るなど食材に水分を含める調理方法は食材をふっくらとやわらかく仕上げます。

 高齢になると、口に入れた食べ物は無意識のうちにかむ、飲み込むという動作がスムーズに行われずに食事をとる周辺機能の低下が起こります。

 

 

嚥下(えんげ)

 

飲食物を飲み込むこと

口の中でかみ砕かれた食事は、上手くまとめられ喉の奥へ、さらに飲みこんで胃へ送り込みます。これを嚥下(えんげ)といいます。

高齢者や飲みこむ力の弱い人は、食べ物が喉に残り、誤って気管に入ることがあります。

これを誤嚥(ごえん)といい誤嚥性肺炎の原因として命にかかわるケースもありますので注意が必要です。

 

・まとまりの工夫:食べ物がバラけて口の中や喉に残らない工夫を。
・喉を通りやすくする工夫:食べ物がまとまりつつ、喉の奥に送り込まれるようとろみ加減の調整を。
・パサつかない工夫:パサつくものは口に残りやすく、後で誤嚥の原因にも。あんをかけるなどとろみとまとまりを補う工夫を。

 

スマイルケア食

 

農林水産省は以下の通り定義しています。

 

 

「スマイルケア食」とは、これまで「介護食品」と呼ばれていたものの範囲を

高齢者だけでなく、噛むことや飲み込むこと、栄養に関して問題があるという方々にも、

幅広く利用していただくために、考え方を整理し、公募で選ばれた新しい介護食品の愛称です。
 

具体的には、
健康維持上栄養補給が必要な人向けの食品に「青」マーク、
噛むことが難しい人向けの食品に「黄」マーク、
飲み込むことが難しい人向けの食品に「赤」マークを表示します。
なお、固さ等の程度に応じて「黄」マーク表示の食品群は4段階、「赤」マークは3段階に分けられています。
 

 

 スマイルケア食についての詳細動画はこちら

 スマイルケア食の選び方早見表はこちら

 

状態に合ったスマイルケア食のマークを知っておくことで、

お買い物の際に簡単に介護食を見つけることができて便利ですね。

 

商品例:大塚食品株式会社

 

 

 

ユニバーサルデザインフード(UDF)

 

日本介護商品協議会が発案した介護食品の規格を統一した食品。

 

「ユニバーサルデザインフード」とは、日常の食事から介護食まで幅広くお使いいただける、食べやすさに配慮した食品です。その種類も様々で、レトルト食品や冷凍食品などの調理加工食品をはじめ、飲み物やお食事にとろみをつける「とろみ調整食品」などがあります。

ユニバーサルデザインフードのパッケージには、必ずマークが記載されています。

これは日本介護食品協議会が制定した規格に適合する商品だけについているマークで、お客様が選び易いよう、どのメーカーの商品にも「かたさ」や「粘度」の規格により分類された4つの区分を表示しています。この区分を目安にご利用に適した商品を安心して選んでいただけます。

まずはパッケージのマークをご覧下さい。

 

ユニバーサルデザインフードの製品は、現在 2,214 品目が登録されています。

マークと共に区分の記載があり、

容易にかめる>歯ぐきでつぶせる>舌でつぶせる>かまなくてよい の順に柔らかいことを指しています。

 

日本介護商品協議会の設立背景などを踏まえると、利用者への信頼と便利さを考慮したものとわかります。

 

「介護」をコンセプトとした食品が出回り始めた頃、

その商品群には規格基準がなく、「介護食品」はメーカ ーによって製品の規格や表示方法が異なるため、利用者の不便が指摘されていました。

 そこで、これら利用者の不便を解消するため、食品メーカーを中心に、素材や容器など多くの 企業が集まり、介護食品の「食べやすさ」「使いやすさ」などについて「統一規格」を制定。

 

ユニバーサルデザインフード紹介動画はこちら

 

 

 

 

介護食の種類


続いて介護食の種類や必要なポイントについて解説します。

 

食べる人の体調や食べる能力に応じて、「きざみ食」「軟菜食(ソフト食)」「ミキサー食」「嚥下食」「流動食」など、

さまざまな形態があるので、それぞれの特徴を理解し、高齢者の方の身体状況と照らし合わせて選んでいくことが重要になります。

 

噛む力(咀嚼機能)や、飲み込む力(嚥下機能)に合わせて適切な食事形態を選ぶことで、誤嚥(食べ物が気管に入ってしまうこと)や食事中にむせてしまうことなどを防げます。

 

 

きざみ食とは

 

きざみ食とは、食べやすいように食べ物を細かく刻んだ介護食。特に噛む力が弱い方に向いています。きざむ大きさは、食べる方の噛む力、飲み込む力によって調整します。

普通の食事を細かくきざむだけなので、元の食事と色合いがほとんど変わりません。


きざみ食は普通の食事を細かくきざんで作るため、噛む力が弱い方にとっても食べやすく、見た目は普通の食事に近いので、食欲が低下しません。

しかし、きざみ食のデメリットは、主に以下の2つがあります。
きざまれた小さな食べ物はまとまりがなく、上手く飲み込めず、誤嚥の恐れがあります。きざみ食を作る際は、まとまりができるように、とろみをつけるなどの工夫が必要です。細かい食べ物のカスが口の中に溜まりやすくなります。歯と頬の間、歯茎と入れ歯の間に食べかすが残ると、口内に菌が増えます。菌の増殖は虫歯・肺炎につながるので、食後はきちんと口腔ケアをする必要があります。

 

 

ソフト食とは


食べ物をやわらかく煮込む、一度ミキサーにかけから固めるなどの工夫を加えた介護食。

舌や歯茎で押すだけで潰れる程度の柔らかさが目安です。


ソフト食は見た目が通常食に近いため食欲がわきやすいといわれています。

また、食べ物が柔らかいため、あまり咀嚼しなくても飲み込みやすい点が良点。

口の中で食べ物がまとまりやすいため、誤嚥のリスクが少ないとされています。

デメリットとしては、ソフト食は、柔らかくするために、長時間煮込むなどの工程が必要になります。

ソフト食にする必要はあるが時間がない・作れない、という方は市販のソフト食や高齢者向け宅配弁当・宅配食事サービスの活用もご検討ください。

 

ミキサー食とは

 

ミキサーにかけて食べ物をポタージュ状にした介護食。

なんといっても、噛まなくても食べられることがメリット。
楽に食べることができるので、今までいつまでも口に入れてもぐもぐしていたという疲労感を軽減することができます。

唾液の量が減っている高齢者にとっても、飲み込みやすい食事になります。

胃腸に負担が少なく、栄養の吸収も早いこともポイント。

 

文字情報だと良いことずくめのミキサー食。

一番のデメリットは、見た目です。

ドロドロの見た目は、どうしても食欲がわかないということもあります。
嚥下能力や歯の力が弱っても、重度の認知症などを患っていない場合は、高齢者の中にはプライドが傷つけられることもあります。

低栄養になりやすいという点も。

ミキサーですりつぶすためには、普通の食材に、さらに汁ものをたくさん足します。水分があるので量が増え、取れる栄養が少なくなりがちです。

 

食欲が減退すると、必要な栄養素を摂れなくなることも考えられます。

低栄養を防ぐためにも、一品一品ミキサーにかけて、元のメニューを伝えるようにしましょう。

 

 

 

 

 

 

 

「介護食については分かったけど、キチンと選べるか不安・・・」という方は

 

介護食選びに迷ったら、専門家に相談

 

介護食士、ケアマネジャーやデイサービスの職員、お医者様に相談するのも良いでしょう。

どうしても相談する人がいないときは、本人に一口ずつ食べさせてみて反応をみるしかありません。

とろみの加減によっても食べやすさが変わってくるので、いろいろ試してみましょう。

 

 

「スマイルケア食」「ユニバーサルデザインフード」を基準にする

 

いざ、実際に介護食を選ぶとき、固さや飲み込みやすさのレベルがわかりにくく、判断が難しいときがあります。

施設側でも見極めが難しいとされるこの問題で、介護食の指標として参考になるのが「スマイルケア食」「ユニバーサルデザインフード」というものです。

市販の介護食にも、また消費者にもわかりやすいよう、これらの指標が商品のパッケージに表示されているものもあるので探してみてくださいね。

 

 

 

忙しい方には介護食通販サービスをおすすめ

 

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