口腔ケア
24/01/17 10:36
介護を必要としている方は、自分で口腔ケアを行うのが難しく、周囲の人が意識してケアをしてあげる必要があります。今回は、介護が必要な高齢者にとって口腔ケアがどれほど重要なのかについてお伝えします。
1.口腔ケアの目的
①疾病の予防
口腔内を清潔に保つことは、歯周病などをはじめとする口腔内の病気や口臭を予防することにつながります。また、口腔の健康状態は全身の健康にとても影響があり、口腔ケアが充分でないと糖尿病や呼吸器疾患など、口腔外のトラブルを引き起こす場合があります。
②肺炎の予防
嚥下機能が低下すると、口の中の細菌が食べ物と一緒に誤って気管に入ることにより、誤嚥性肺炎を引き起こす可能性が高くなります。口腔ケアをしっかりと行い、口腔内を常に清潔に保つことで、誤って食べ物が気管に入ってしまったとしても誤嚥性肺炎を発症するリスクを下げることが出来ます。
③口腔機能の維持
口の周りの筋肉や舌を動かすトレーニングを行うことで、食べる、話す、表情をつくるなどの口腔機能を維持することが出来ます。
2.器質的口腔ケア
歯磨きやうがいを行うことにより、口腔内の食べかすや細菌を除去し、口の中を清潔に保つケアのことです。
①うがい
歯磨きを始める前に、口腔内の食べかすや汚れを落とします。また、歯磨き終了後にもうがいをして、歯磨きによってとれた食べかすや細菌の塊が口腔内に残らないようにします。誤嚥しやすい人は、うがいをする姿勢に注意しましょう。
②歯磨き
歯ブラシを優しく持ち、歯と歯の間や歯茎に近いところを重点的に行いましょう。唾液がたまってきたら、定期的に吐き出してもらうか、ふき取りを行うことで、誤嚥するのを防ぐことが出来ます。
③舌の掃除
舌ブラシを使い、奥から手前に掻き出すようにして行います。舌苔と呼ばれる白い苔状の汚れがたまっていると、味覚を感じにくくなる原因になるため、定期的に行いましょう。
④義歯の掃除
自身の口腔内のケアはもちろん、義歯を清潔に保つこともとても大切です。専用ブラシと洗浄剤を使い、洗浄剤の使用方法に従って丁寧に行いましょう。
3.機能的口腔ケア
体操やマッサージを行うことにより、食べる、話すといった機能を維持するケアのことです。
①唾液腺のマッサージ
耳下腺、額下腺、舌下腺を刺激することで唾液が出やすくなります。唾液は自浄作用があるため口臭予防になり、ほかにもコミュニケーションがとりやすくなるといった利点があります。
②口腔体操
噛んだり、飲み込んだり、話したりするための口腔機能が衰えることをオーラルフレイルといいます。口の周りの筋肉や舌を動かすことで、噛む力や飲み込む力を鍛えたり、舌の動きをスムーズにしたりすることが出来ます。
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