主食で食物繊維補給
23/08/29 16:32
「食物繊維」と聞くと、便秘解消を真っ先に思い浮かべるかもしれませんが、「血糖コントロール」にも効果的だということをご存じでしょうか?
今回は、食物繊維の働きと、普段の食事に簡単に食物繊維をプラスする方法を献立例と合わせてご紹介します。
【目次】
・「食物繊維」が必要な理由
・1日に必要な食物繊維の量
・食物繊維を主食から摂ろう
・β-グルカンの「セカンドミール効果」
・手軽に血糖コントロール
・献立例
「食物繊維」が必要な理由
食物繊維は消化・吸収されずに大腸まで達する栄養素で、水に溶ける「水溶性食物繊維」と、水に溶けない「不溶性食物繊維」の2種類があります。「水溶性食物繊維」は、糖質の吸収を緩やかにし、血糖値の急な上昇を抑える働きがあります。一方、「不溶性食物繊維」は胃や腸で水分を吸収して膨らみ、腸を刺激して便通を促します。
また、不溶性食物繊維には噛み応えのあるものが多く、よく噛むために満腹感が得られやすく、食べすぎを予防する効果もあります。
したがって、糖尿病の予防や治療には、水溶性と不溶性両方の食物繊維が欠かせないということになります。
1日に必要な食物繊維の量
糖尿病患者さんの場合、1日20g以上の食物繊維を取ることが治療に効果的とされています。(日本糖尿病学会 糖尿病診療ガイドライン2019)しかし、近年は穀類・いも類、豆類の摂取量の減少に伴い、食物繊維の摂取量は減少傾向にあります。現代の日本人の平均摂取量は1日あたり14g前後と推定されています。このデータから見てもわかる通り、毎日しっかりと食物繊維を摂り続けるのは少し難しいことかもしれません。食物繊維を効果的に摂る方法を知り、血糖値改善に努めましょう。
食物繊維を主食から摂ろう
食物繊維は毎日欠かさず摂ることが重要です。そこでおすすめしたいのが、主食で食物繊維を補う方法です。
特に「押し麦」には、100gあたり9.6gの食物繊維が含まれていて、食物繊維が多いイメージのあるごぼうよりも多いんです。
この「押し麦」を毎日のご飯に混ぜるだけで、手軽に食物繊維UPできます。
β-グルカンの「セカンドミール効果」
「β-グルカン」とは、水溶性食物繊維の一種で、血糖値を上がりにくくするカギともいわれる栄養素です。
「セカンドミール効果」とは、最初にとった食事(ファーストミール)が、次の食事(セカンドミール)のあとの血糖値の上昇にも影響を及ぼすというものです。
ファーストミールとして最適なのが、食物繊維を多く含む野菜や豆類、精製されていない穀類などです。1日の最初の食事である朝食にβ-グルカンが豊富な「押し麦ごはん」を食べることで、次の食事である昼食を食べた後の血糖値の上昇を抑えることができるというわけです。
手軽に血糖コントロール
糖尿病の食事療法に欠かせない食物繊維。毎日しっかり摂り続けるためには、「簡単に」「手軽に」が重要だと思います。
毎日か必ず口にする主食を「押し麦ごはん」に置き換える方法なら、いつものご飯に混ぜて炊くだけで、簡単に不足分の食物繊維を補うことができます。
ぜひ、「押し麦ごはん」を食事に取り入れて、上手に血糖コントロールしましょう。
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