糖尿病ってどんな病気?
23/07/05 10:26
誰でも、食事をすると一時的に血糖値が高くなりますが、インスリンというホルモンが分泌されることで、正常値に戻ります。このインスリンの分泌量が減少したり、働きが弱くなったりすることによって、高血糖状態が慢性的に続く病気を「糖尿病」といいます。この糖尿病には大きく分けてⅠ型とⅡ型がありますが、今回は運動や食事によって改善可能なⅡ型糖尿病についてお話します。
【目次】
・糖尿病の原因
・糖尿病の症状
・糖尿病の治療
・糖尿病と上手に付き合うために
糖尿病の原因
食べすぎや飲みすぎとそれによる肥満、運動不足、精神的なストレスなど、生活習慣が原因で起こるといわれています。また、遺伝的要因も大きく、家族や親戚に糖尿病の方がいる場合は特に注意が必要です。その他、糖尿病以外の病気や治療の影響で発症することもあります。
糖尿病の症状
糖尿病は進行が緩やかなため、軽度の場合、自覚症状がないことがほとんどです。そのため、糖尿病になっていることに気づかない方も多く、発見が遅れる場合もあります。病気が進行すると下記のような症状が現れます。
・のどが渇きやすくなる
・尿の回数が増える
・疲れやすくなる
・体重減少
・皮膚が乾燥する
糖尿病の治療
症状がないからと言って血糖値が高い状態を放置すると、からだの様々なところがダメージを受け、腎症や網膜症、神経障害などの合併症を引き起こす危険性があります。糖尿病の疑いがあることや既に糖尿病になっていることが分かった時点で、発症や進行を予防することが大切です。
①食事療法
・適正なエネルギー量、塩分量を心がける
・いろいろな栄養素をバランスよく食べる
・時間を決めて規則正しく食べる
・寝る前に食べない
・ゆっくりよく噛んで食べる
・腹八分目を心がける
糖尿病の食事療法は、厳しい制限があるわけではありませんが、日々の積み重ねが重要です。適度に息抜きの日も作りながら、少しずつ食習慣を見直していきましょう。
また、様々な栄養素をバランスよく摂るために「糖尿病食事療法のための食品交換表」があります。この交換表では、食品を主な栄養素ごとに6つのグループに分類しています。同じグループ内で食品を交換することで、献立の幅が広まるため、担当の管理栄養士の先生と相談して、ぜひ活用してみましょう。
②運動療法
有酸素運動を行うことにより、ブドウ糖が細胞内に取り込まれるためインスリンの効果が高まり、血糖値が低下します。また、筋力トレーニングにより筋肉が増えることで、血糖値が下がりやすくなります。この有酸素運動と筋力トレーニングを組み合わせて行うことで、より良い治療効果が得られます。これらの運動は、やめてしまうと効果が失われてしまうため、少なくとも週3回以上行うようにしましょう。
運動は、症状によっては控えた方が良い場合もあります。始める前に、主治医の先生に相談しましょう。

③薬物療法
食事療法や運動療法では血糖値が改善されない場合に、合併症の発症や進行を防ぐために薬物療法を行います。大きく分けて「インスリン注射」と「経口血糖降下薬」があり、進行具合や年齢、肥満度などに合わせて使い分けを行います。
糖尿病と上手に付き合うために
糖尿病は、高血圧や脂質異常と同じように、健康診断で発見できる病気です。しかし、「糖尿病予備軍」と指摘を受けても、自覚症状がほとんどないため、受診しなかったり、途中で治療をやめてしまったりする方もいらっしゃいます。しかし高血糖状態を放置すると、合併症を引き起こし、取り返しがつかなくなる可能性もあります。定期的に健康診断を受けること、糖尿病の疑いがあると診断されたら、速やかに受診することが肝要です。
また、糖尿病の食事療法や運動療法は、現在健康な方であっても、糖尿病の予防として効果的です。家族や親戚に糖尿病をお持ちの方がいる場合は、ぜひ生活習慣を見直してみましょう。
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