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糖尿病で下痢のときの食事はどうする?原因・おすすめメニュー・避けたい食べ物を解説

26/07/25 03:31

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糖尿病の治療中に、急にお腹がゆるくなって困った経験はありませんか?「いつもの食事でいいのか」「何を食べれば早く治るのか」と不安になる方も多いはずです。

そこでこの記事では、糖尿病で下痢が起こる原因から、下痢のときにおすすめの食事メニュー、逆に避けたい食べ物まで詳しく解説します。体調が悪いときこそ正しい知識が役立ちますので、ぜひ参考にしてください。

 

糖尿病で下痢が起こるのはなぜ?原因とメカニズムを解説

糖尿病の方が下痢を起こしやすいのには、主に2つの原因が関係しています。1つは血糖値が高い状態が続くことで自律神経に障害が起こり、腸の動きが乱れてしまうケースです。もう1つは、糖尿病治療薬の副作用として下痢が現れるケースです。それぞれの仕組みを詳しく見ていきましょう。

 

高血糖による自律神経障害が腸の働きを乱す

腸は自律神経によって動きをコントロールされていますが、高血糖の状態が長く続くと、この自律神経が傷つき、正常に働かなくなることがあるといわれています。これを「糖尿病性自律神経障害」と呼びます。

自律神経が乱れると、腸の動きが速くなりすぎたり、逆に遅くなりすぎたりして、下痢や便秘を繰り返しやすくなるとされています。特に食後に下痢が起こりやすいという特徴があり、夜間や早朝に症状が強く出る方も少なくないといわれています。

このタイプの下痢は、血糖コントロールの状態と関係が深いと考えられています。自己判断で食事量を減らすのではなく、まずは血糖値をできるだけ安定させることが大切です。気になる症状が続く場合は、自律神経の状態を確認するためにも、主治医に相談してみましょう。

(参考:国立国際医療研究センター 糖尿病情報センター「神経障害」)  
(参考:厚生労働省 e-ヘルスネット「糖尿病性神経障害」)

 

糖尿病治療薬の副作用が下痢を引き起こす場合がある

糖尿病の治療で使われる薬のなかには、副作用として下痢を起こしやすいものがあるとされています。例えば、ビグアナイド薬(メトホルミンなど)やαグルコシダーゼ阻害薬などの経口薬では、消化管への作用によって下痢や軟便が生じることがあると報告されています。

薬を飲み始めた直後や、量を増やしたタイミングで下痢が起こった場合は、薬の影響を疑ってみてもよいでしょう。ただし、自己判断で薬の量を減らしたり中止したりすると、血糖コントロールが悪化する恐れがあるため危険です。

下痢の症状がつらいときは、我慢せずに早めに医師や薬剤師に相談してください。薬の種類や量を調整することで、症状が改善する場合があります。

 

糖尿病で下痢になったときの食事で意識すべきポイント

下痢のときは腸が敏感になっているため、ふだんの食事内容をそのまま続けると、症状を悪化させてしまうことがあります。糖尿病の方が下痢のときに気をつけたいポイントは、大きく分けて「消化への配慮」と「水分・糖質の補給」の2つです。それぞれ詳しく解説します。

 

消化に負担をかけない調理法・食材を選ぶ

下痢のときは腸の粘膜が荒れていることが多く、消化に時間がかかる食べ物を摂ると、さらに腸に負担をかけてしまうといわれています。そのため、油を多く使う揚げ物や炒め物は避け煮る・蒸す・茹でるといった調理法を選ぶことが望ましいとされています。

食材選びでは、消化のよい食品を意識することが重要です。

<消化に優しい食材の例>  
・主食:おかゆ、うどん、食パン(耳を除く)  
・たんぱく質:豆腐、白身魚、鶏のささみ  
・野菜:よく煮込んだにんじんやかぼちゃ、大根

一方、繊維質の多い根菜や生野菜、脂身の多い肉などは消化に時間がかかるとされているため、症状が落ち着くまでは控えめにするのがよいでしょう。一口ずつよく噛んで、ゆっくり食べることも腸への負担を減らすポイントです。

 

水分と糖質をしっかり補給して脱水と低血糖を防ぐ

下痢が続くと体内の水分やミネラルが失われ、脱水状態に陥りやすくなります。日本糖尿病学会のシックデイ(体調不良時)に関するガイダンスでも、十分な水分補給が推奨されています。特に糖尿病の方は、もともと喉の渇きに気づきにくい場合があるといわれているため、意識的にこまめな水分補給を心がけることが大切です。

水分補給には、経口補水液やスポーツドリンクなど、水分と電解質を同時に補えるものが適しているとされています。ただし、糖分が多すぎる飲料は血糖値を急上昇させる恐れがあるため、成分表示を確認しながら選ぶと安心です。

また、下痢で食欲が落ちると食事量が減り、薬やインスリンの効果が相対的に強まって低血糖を起こすことがあるとされています。食事がしっかり摂れないときは、主治医からあらかじめ指示されている「シックデイルール」に従い、糖質を含む飲み物や食品で必要なエネルギーを補うようにしてください。

(参考:国立国際医療研究センター 糖尿病情報センター「シックデイ」)

 

糖尿病の下痢時におすすめの食事メニュー・食材

体調が悪いときでも、最低限の栄養とエネルギーは補給する必要があります。ここでは、下痢のときに取り入れやすい主食・たんぱく質・糖質補給の方法を具体的に紹介します。

 

おかゆ・うどんなど消化に優しい主食を選ぶ

下痢のときの主食には、消化がよく胃腸に負担をかけにくいものを選びましょう。代表的なのは、おかゆや煮込みうどん、柔らかく茹でたそうめんなどです。これらは水分を多く含んでいるため、水分補給と栄養補給を同時に行えるというメリットもあります。

パンを選ぶ場合は、消化に時間がかかる耳の部分を取り除き、柔らかい部分のみを食べるとよいでしょう。逆に、玄米や雑穀米、ライ麦パンなど食物繊維が豊富な主食は、腸への刺激が強くなるため、症状が落ち着くまでは避けるのが無難です。

食欲が少しずつ戻ってきたら、おかゆから軟飯、普通のご飯へと段階的に戻していくと、腸への負担を抑えながら回復を目指しやすくなるでしょう。

 

豆腐や白身魚など脂質の少ないたんぱく質を取り入れる

下痢のときでも、体力を維持するためにたんぱく質は必要です。ただし、脂質の多い肉や揚げ物は消化に負担がかかるため、脂質の少ない食材を選びましょう。

<おすすめのたんぱく質食材>  
・豆腐や高野豆腐  
・白身魚(たら、かれいなど)  
・鶏のささみや皮なし胸肉  
・卵(半熟卵や卵豆腐など消化のよい状態で)

調理する際は、蒸す、茹でる、煮るといった油を使わない方法がおすすめです。少量からでもよいので、毎食に取り入れることで体力の低下を防ぎやすくなります。

 

食欲がないときは糖質を少量ずつ摂る

下痢で食欲が落ちているときでも、血糖値が下がりすぎないよう、糖質をまったく摂らないのは避けることが望ましいとされています。一度にたくさん食べようとせず、おかゆやうどん、果汁、糖質を含む経口補水液などを少しずつ、何回かに分けて摂ることがポイントです。

固形物が食べられない場合は、果物の絞り汁や消化がよく糖分も補いやすい食品を少量ずつ試してみるのも一つの方法とされています。なお、どうしても食事が摂れない状態が続く場合は、低血糖のリスクが高まる可能性があるため、早めに医療機関へ相談するようにしてください。

 

糖尿病で下痢のときに避けたい食べ物・飲み物

下痢の症状があるときは、腸を刺激しやすい食べ物や飲み物を避けることが回復への近道です。ここでは、特に注意したい3つのカテゴリーについて解説します。

脂質や食物繊維が多い食品は腸への刺激になりやすい

脂質の多い揚げ物やバター、生クリームを使った食品は消化に時間がかかり、腸の動きを過剰に活発にしてしまうことがあります。また、ごぼうやさつまいもなど食物繊維が豊富な食品も、下痢のときには腸への刺激になりやすいといわれているため控えることが望ましいでしょう。

<下痢のときに控えたい食品例>  
・揚げ物、脂身の多い肉  
・根菜類(ごぼう、れんこんなど)  
・きのこ類、海藻類  
・豆類(消化しにくいもの)

これらの食品は、下痢の症状が落ち着いてから少しずつ食事に戻していくのがよいでしょう。

 

牛乳・ヨーグルトなど乳製品は体調に合わせて判断する

乳製品は、人によって下痢を悪化させる場合と、逆に腸内環境を整えて症状の改善に役立つ場合があります。これは、下痢によって乳糖を分解する酵素の働きが一時的に弱まり、牛乳に含まれる乳糖をうまく消化できなくなる人がいるためです。

牛乳を飲んでお腹がゴロゴロする、症状が悪化したと感じる場合は、無理に摂取せず控えるようにしましょう。一方でヨーグルトは、乳酸菌が腸内環境を整える助けになることもあるため、体調を見ながら少量から試してみるのも一つの方法です。体質や症状には個人差があるため、自分の体調をよく観察しながら判断することが大切です。

 

冷たい飲食物・カフェイン・アルコールは下痢を悪化させる

冷たい飲み物や食べ物は腸を直接刺激し、腸の動きに影響を与える可能性があるといわれています。下痢のときは、できるだけ常温か温かい状態で食べ物・飲み物を摂るよう心がけましょう。

また、コーヒーや紅茶、緑茶などに含まれるカフェインには腸を刺激する作用があるとされているため、下痢のときは控えめにすることが望ましいとされています。アルコールについても、腸の粘膜に影響を与える可能性があるとされており、体調が回復するまでは飲まないようにしてください。

 

糖尿病で下痢が続くときの対処法と受診の目安

下痢が1〜2日で落ち着く場合は、食事内容に気をつけながら自宅で様子を見ても問題ないケースが多いでしょう。しかし、以下のような症状がある場合は、早めに医療機関を受診することが大切です。

<受診を検討すべき症状>  
・下痢が2〜3日以上続いている  
・水分や食事がほとんど摂れない  
・高熱や激しい腹痛を伴う  
・血糖値が普段よりも大きく変動している(高すぎる、または低すぎる)  
・意識がもうろうとする、ぐったりしている

特に、食事や水分がまったく摂れない状態はシックデイと呼ばれ、糖尿病の方にとって血糖コントロールが乱れやすい状態とされています。日本糖尿病学会でもシックデイ時の対応として、自己判断でインスリンや薬を中止しないこと、水分と糖質の確保を最優先にすること、改善しない場合は速やかに受診することが推奨されています。あらかじめ主治医と相談しているシックデイルールに従いながら、迷う場合は早めに受診するようにしましょう。

(参考:国立国際医療研究センター 糖尿病情報センター「シックデイ」)  
(参考:日本糖尿病学会「糖尿病患者の皆様へ:今一度シックデイ対策を」)

 

まとめ

糖尿病の方が下痢になったときは、自律神経障害や薬の副作用といった原因を理解したうえで、消化によい食事と十分な水分・糖質補給を心がけることが大切とされています。おかゆやうどんなどの消化に優しい主食、豆腐や白身魚といった脂質の少ないたんぱく質を中心に、無理のない範囲で食事を続けましょう。

一方で、脂質や食物繊維の多い食品、冷たい飲食物、カフェインやアルコールは症状を悪化させる可能性があるとされているため、体調が回復するまでは控えることが望ましいでしょう。下痢が長引く場合や食事・水分が摂れない場合は、我慢せずに早めに医師へ相談し、適切な対応を取るようにしてください。

 

<参考文献>

1. 国立国際医療研究センター 糖尿病情報センター「神経障害」

2. 厚生労働省 e-ヘルスネット「糖尿病性神経障害」

3. 国立国際医療研究センター 糖尿病情報センター「シックデイ」

4. 一般社団法人 日本糖尿病学会「糖尿病患者の皆様へ:今一度シックデイ対策を」

5. 厚生労働省 e-ヘルスネット「糖尿病の食事」

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