糖尿病の食品交換表使い方ガイド|6つの食品分類とシーン別活用法
26/06/28 02:38
糖尿病の食事療法で「食品交換表を使いましょう」と言われても、最初は少し難しく感じる人も多いのではないでしょうか。「単位」など聞き慣れない言葉が並ぶと、一気に戸惑ってしまいますよね。
そこでこの記事では、糖尿病の食品交換表の基本的な考え方から、6つの食品分類、日々の献立・外食・間食での活用法までくわしく解説します。無理なく食事療法を続けるためのヒントとして、ぜひ参考にしてください。
※本記事は食品交換表の一般的な理解を深めるための情報提供を目的としており、医師・管理栄養士による個別の食事指導の代替となるものではありません。
糖尿病の食事療法で重要な「食品交換表」とは?
まずは、食品交換表の仕組みや使い方と、できることできないことを整理していきましょう。
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食品交換表は糖尿病の食事療法を続けやすくするための目安
食品交換表とは、日本糖尿病学会が策定した、糖尿病の食事療法を実践するための指導ツールです。現在は「糖尿病食事療法のための食品交換表 第7版」が最新版として使われています。
では、なぜこのツールが必要なのでしょうか?
糖尿病の食事療法では、毎日の摂取エネルギー量を適切にコントロールすることが大切です。しかし、食品ごとにカロリーを細かく計算するのは手間がかかり、続けにくいのが現実。そこで食品交換表は、似たような栄養素を含む食品をまとめてグループ化し、「同じグループの食品なら同じ量で入れ替えができる」という発想で作られました。
たとえば、「ご飯をパンに変えたい」と思ったとき、同じカロリーになるように自分で計算しなくても、食品交換表を見れば「ご飯○g=食パン○g」とすぐに分かります。このような「入れ替え(交換)」ができることが、このツールの大きな特徴です。
食品交換表は管理栄養士や医師の指導のもとで使うことが前提ですが、使い方を覚えると日々の食事選びがぐっとラクになりますよ。
(参考:日本糖尿病学会 編・著『糖尿病食事療法のための食品交換表 第7版』日本糖尿病協会・文光堂、2013年)
1単位は80kcal|食べる量を考える基本単位
食品交換表では、「1単位=80kcal」を基本単位として使います。これがこのツールを使いこなすうえで一番大切なポイントです。
たとえば、医師から「1日に20単位まで」と指示された場合、20単位×80kcal=1600kcalが1日の目標摂取エネルギー量になります。この「単位」という考え方を使うことで、難しい計算をしなくても食品ごとの量をイメージしやすくなるのです。
なお、1日あたりの指示単位数は体格や活動量、病状によって異なります。必ず主治医や管理栄養士に確認しながら活用してください。
※各食品の1単位あたりの目安量については、「糖尿病食事療法のための食品交換表 第7版」(日本糖尿病学会 編・著、日本糖尿病協会・文光堂)をご参照ください。
食品交換表でできること・できないこと
食品交換表はとても便利なツールですが、万能ではありません。活用前に「できること」と「できないこと」をしっかり把握しておきましょう。
<食品交換表でできること>
・食品ごとの目安量(何gが何単位か)を確認する
・同じグループ内の食品を同じ単位で入れ替える
・1日の摂取エネルギー量を単位で管理する
・外食や間食の量をざっくり把握できる
・栄養のバランスを意識した献立を立てる
<食品交換表でできないこと・注意点>
・別の表をまたいでの交換はできない(例:主食の単位を主菜で補う、はNG)
・血糖値の上がりやすさ(GI値)の違いは反映されない
・塩分や水分の管理には対応していない(腎臓病を合併している場合は別の指導が必要)
・自己判断での単位設定はNG(必ず医師・管理栄養士の指示に従う)
食品交換表はあくまでも「食事量の目安を管理するためのツール」です。GI値(血糖値の上がりやすさを示す指標)の違いや、調理方法による影響は考慮されていません。迷ったときは、必ず管理栄養士等に相談したうえで活用しましょう。
糖尿病の食品交換表の6つの表と食品分類
食品交換表では、食品を栄養素の特徴ごとに6つの表(グループ)に分類しています。それぞれの表にどんな食品が分類されているのか、1つずつ確認していきましょう。
※各食品の1単位あたりの目安量については、「糖尿病食事療法のための食品交換表 第7版」をご参照ください。
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表1:炭水化物を多く含む食品
表1には、炭水化物をメインに含む「主食」となる食品が分類されています。ご飯・パン・麺類・いも類など、食後の血糖値に影響しやすい食品が含まれます。詳細な食品の種類については、食品交換表をご参照ください。
炭水化物は食後の血糖値に最も影響しやすい栄養素なので、表1の食品は1日の中でどれだけ食べるかを特に意識する必要があります。また野菜の中でも炭水化物を多く含むものは表1に分類されます。「野菜だから大丈夫」と思いがちですが、炭水化物が多い野菜は表1として数えることを忘れないようにしましょう。
表2:くだもの
表2には、果物が分類されています。果物にはビタミンや食物繊維が含まれ、健康的なイメージがありますが、「果糖(フルクトース)」という糖質を多く含むため、食べすぎると血糖値が上がりやすくなります。
注意したいのは、果物ジュースや缶詰のシロップ漬けです。これらは果糖に加えて砂糖も多く含むため、同じ量でも生の果物より血糖値への影響が大きくなります。
果物を食べるときは、できるだけ生のものを選ぶようにしましょう。なお、1日あたりの表2の指示単位数は、多くの場合1〜2単位程度となります。
表3:たんぱく質を多く含む食品
表3には、たんぱく質を多く含む食品が分類されています。主菜(メインのおかず)の材料となる食品群です。詳細な食品の種類については、食品交換表をご参照ください。
ただし、同じ表3の食品でも、脂質の量は大きく異なります。脂質の少ない食品はより多くの量を食べられますが、脂質が多い食品は1単位あたりの量が少なくなります。お肉の部位や調理方法によってカロリーが変わることを覚えておきましょう。
表4:牛乳と乳製品(チーズを除く)
表4には、牛乳と乳製品(チーズを除く)が分類されています。カルシウムやたんぱく質を効率よく摂れる食品群ですが、脂質も含まれているため食べ過ぎには注意が必要です。
牛乳は意外と少ない量でも1単位になります。毎日飲む習慣がある場合は、1日の単位数に組み込んでおくことが大切です。
なお、甘みが加えられた乳製品には砂糖が多く添加されているものがあります。できるだけ無糖タイプを選ぶようにしましょう。
表5:油脂・脂質の多い種実・多脂性食品
表5には、油脂・脂質の多い種実・多脂性食品が分類されています。調理油や加工食品など、少量でも高カロリーになりやすい食品が含まれます。
油脂類は少量でも高カロリーです。揚げ物や炒め物が多い食事では、油の量が気づかないうちに増えやすいため注意しましょう。
一方で、油脂は脂溶性ビタミン(A・D・E・K)の吸収を助けるなど、身体に必要な栄養素でもあります。ゼロにするのではなく、指示された単位の範囲内で上手に活用することが大切です。
表6:ビタミン・ミネラルを多く含む食品
表6には、ビタミン・ミネラルを多く含む食品が分類され、炭水化物の多い野菜を除く野菜・海藻・きのこ・こんにゃくが含まれます。
ビタミン・ミネラル・食物繊維が豊富で、血糖値の上昇を緩やかにする効果も期待できます。食事のかさを増やして満足感を高めたいときには、積極的に活用するとよいでしょう。
付録:調味料
食品交換表には、調味料についても付録として掲載されています。
なお、砂糖・みそ・みりん・ケチャップなど、甘みや風味をつける調味料は糖質を含むものが多いので、使いすぎには気を付けましょう。
食品交換表を使ってみよう!シーン別活用法
食品交換表を日常生活の中でどう使うかを考えてみましょう。「自炊するとき」「外食するとき」「おやつを食べたいとき」の3つのシーンに分けて、食品交換表の具体的な活用ポイントを紹介します。

自炊編|毎日の献立づくりの交換表活用ポイント
自炊は食品交換表を最も活用しやすい場面です。食材や調理方法を自分でコントロールできるため、単位数を守りながら献立を組み立てやすくなります。最初は大変に感じても、同じ食材を繰り返し使ううちに量の感覚が身についていくでしょう。
<毎日の献立づくりのポイント>
・1日の指示単位数を朝・昼・夕の3食に均等に配分する
→例:18単位なら各6単位
・表1(主食)・表3(主菜)・表6(野菜)の3つを毎食そろえることを意識する
・野菜(表6)を先に食べることで食後の血糖値上昇を緩やかにする
・炒め物より蒸し・茹で・焼き調理を選ぶと油脂(表5)の単位数を節約する
外食編|メニュー選びの交換表活用ポイント
外食では、食品の正確な重さや使われている油の量が分かりにくいため、単位数の管理が難しくなります。しかし、コツを知っておくだけで上手に選べるようになります。
<外食時のメニュー選びのポイント>
・定食スタイル(主食・主菜・副菜がそろっているもの)を選ぶ
・ご飯の量はなるべく「普通盛り」を「少なめ」に変更する
・揚げ物よりも、焼き・煮・蒸し料理を中心に選ぶ
・ドレッシングや天つゆ、タレは「かける量を減らす」
たとえばファミレスでは「焼き魚定食(ライス少なめ)+サラダ」、定食屋では「蒸し鶏と野菜の定食」といった選び方が実践しやすいでしょう。
カロリー表示があるチェーン店では、積極的に数値を確認することをおすすめします。大体の目安としては、1食あたり400〜600kcalに収めると、5〜7単位程度のイメージになります。
間食編|我慢しずぎないおやつ選びの交換表活用ポイント
「間食は絶対NG」と思っている方も多いかもしれませんが、食品交換表の枠内に収まるなら、適切な間食は許容されることがあります。ただし、主治医の指示を必ず確認してください。
<間食の基本ルール>
・1日の指示単位数の中に間食分を含めて計算する
・間食は1日0.5〜1単位以内(40〜80kcal)を目安とする場合が多い
・間食する場合は、1日の食事のどこかの単位数を減らして調整する
甘いものが食べたいときは、無糖ヨーグルトにフルーツを少量トッピングする方法がおすすめです。食品交換表の表2と表4を組み合わせながら、満足感を得られる間食が作れますよ。
まとめ
食品交換表は、糖尿病の食事療法を「続けやすくする」ための心強い味方です。最初は難しく感じるかもしれませんが、使い続けるうちに感覚がつかめてくるでしょう。まずは、1食だけ単位を意識してみるところから始めてみませんか?
(参考:日本糖尿病学会 編・著『糖尿病食事療法のための食品交換表 第7版』日本糖尿病協会・文光堂、2013年)