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血液透析と腹膜透析

23/07/05 10:25

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腎臓の機能が正常時の10%以下になると、血液のろ過が充分に行われずに、水分や老廃物のコントロールができなくなってしまいます。人工透析とは、この腎臓の働きを機械によって人工的に行う治療法です。

 

【目次】

・血液透析

・腹膜透析

・ドライウエイトとは

・透析治療の合併症

・透析療法のメリット・デメリット

 

 

血液透析

自身の腎臓の代わりに血液透析器(ダイアライザー)を通して血液を体内から取り出し、老廃物や余分な水分などを取り除いて体内に戻す方法です。4~5時間の治療を週2~3回通院して行います。医療機関で治療を行うため時間的拘束はありますが、医療者に治療をお任せすることができます。

血液透析を行う場合、毎分約200mlの血液を循環させる必要があるため、十分な血液を供給するための血管を、「シャント」と呼ばれる動脈と静脈をつなぎ合わせる手術によって作成します。シャント内に血栓ができて血管が詰まってしまうと、透析治療ができなくなってしまうため、定期的にメンテナンスすることが重要です。

 

 

腹膜透析

患者自身の腹膜を使用して、老廃物や余分な水分を取り除く方法です。自宅や職場など、社会生活の中で治療を行うことが出来るため、自由度の高い生活を送ることができます。また、腹膜透析は毎日時間をかけてゆっくり行うため、血液透析に比べて体の負担が小さいのが特徴です。

腹膜透析を行うためには、カテーテルと呼ばれる管を腹部に挿入する手術が必要で、このカテーテルの皮膚から出ている部分を清潔に保ち、感染症を予防することが重要です。

 

 

ドライウエイト

透析患者の透析後の目標となる体重のことを「ドライウエイト」といいます。腎臓の機能が低下すると、尿として排泄できる水分量が減少し、体内に水分が溜まりやすくなります。この余分な水分を、透析治療によってどのくらい取り除くかは、ドライウエイトを基準に決定します。

 

 

透析治療の合併症

①低血圧

低血圧は透析患者に最も多くみられる合併症です。血圧が下がりやすくなる原因として循環水分量の減少や血管収縮機能の低下などが挙げられます。自覚症状は吐き気や嘔吐、頭痛、あくびなどです。

ドライウエイトを上げる、バランスの良い食事を心がける、などで改善される場合があります。

 

②不均衡症候群

透析を始めたばかりの時期に、身体が透析に慣れていないためにおこる合併症です。透析を行うと、体内の血液に含まれる老廃物は除去されてきれいになりますが、脳内の老廃物は除去されにくいため、身体と脳に濃度差が生じます。この濃度差を埋めるために水分が脳内に移動し、脳がむくむことで、吐き気や嘔吐などの症状が現れます。

 

③高血圧

水分や塩分の過剰摂取により、うまく排泄されずに体液量が増加することで、高血圧状態になります。血圧が高い状態が続くと、動脈硬化をはじめ、脳卒中や心臓病などを発症する場合もあるため、適正な水分・塩分量を守りましょう。

 

④感染症

透析を受けている方は、そうでない方に比べ、抵抗力が低下しているため、感染症にかかりやすいです。また、穿刺した部位から細菌が入りやすく、一般の方に比べて病原菌に感染するリスクが高くなります。

 

⑤アミロイド骨関節症

長期間透析治療を続けていると、骨や関節に「アミロイド」という物質が付き、骨や関節周辺のしびれや麻痺などの症状が現れます。

 

 

透析療法のメリット・デメリット

 

 血液透析腹膜透析
メリット

・透析施設に来院すれば、医療者にやってもらえる

・通院の日以外は透析から解放されるため、生活にメリハリをつけやすい

 

・通院が少なくて済むので、自由度の高い生活を送ることができる

・近くに病院がない場合や寝たきりの場合でも可能

・身体への負担が少ない

・食事制限が血液透析に比べ穏やか

・残存する腎機能を保てる

デメリット

・循環動態が変わりやすい

・食事制限が腹膜透析に比べ厳しい

・医療機関で治療を行うため時間的拘束がある

・穿刺痛がある

・自分や家族が透析液の交換を行わなければならない

・カテーテルからの感染に注意が必要

・長期的な治療の継続は困難

 

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