糖尿病の食事でダメなものランキング|血糖値に悪影響を与える食品とは
25/05/29 18:43
糖尿病の食事管理において、「食べてはいけない食品」や「避けるべき食品」を把握することは非常に大切です。しかし、具体的にどの食品が血糖値に悪影響を及ぼすのか、明確には分からないという人も多いのではないでしょうか?
そこでこの記事では、糖尿病患者が避けるべき食品をランキング形式でご紹介します。代替食品や正しい食事選びのポイントも解説しますので、ぜひ参考にしてください。
糖尿病と食事の関係|なぜ食事に注意が必要なのか
糖尿病は血糖値のコントロールが難しくなる病気ですが、その管理のカギは「日々の食事」にあります。では、糖尿病と食事(血糖値)は、具体的にどのような関係があるのか、まずは簡単に見ていきましょう。
糖尿病と血糖値の関係
糖尿病は、インスリンというホルモンがうまく働かず、血糖値が高い状態が続く病気です。
そもそもインスリンは、血糖値を下げるホルモンであり、血糖をコントロールするうえで重要な役割を担っています。そのため、インスリンが不足したり効果が弱まると、あらゆる症状や合併症のリスクが高まるのです。
そして、血糖値のコントロールが利かなくなると、頻尿、のどの渇き、目のかすみ、疲労感などの症状が現れ、重症化すると、吐き気、腹痛、意識障害が発生することもあり、非常に危険です。このように、糖尿病と血糖値には密接な関係があるのです。
食事が糖尿病に与える影響とは?
糖尿病には一型糖尿病と二型糖尿病の2つのタイプがありますが、このなかでも二型糖尿病は、食事療法や運動療法でコントロールできる場合が多い糖尿病です。そのため、日々の食事こそが糖尿病とうまく付き合っていくための「カギ」となるのです。
例えば、白米やパン、砂糖が多いお菓子を食べると、血糖値が短時間で急激に上昇します。この状態を「血糖値スパイク」と呼び、頻繁に起こると血管に負担がかかり、合併症のリスクが高まってしまいます。
そのため糖尿病患者は、これらのリスクを抑えるために、血糖値の上昇を抑える食事内容や食事の摂り方を日頃から心がけることが必要になります。
糖尿病患者が避けるべき食品ランキング|ダメなものトップ5
糖尿病の食事管理では、血糖値を急激に上昇させる食品やカロリーが高い食品を避けることが大切です。そこでここからは、糖尿病患者が避けるべき食品を、第5位からランキング形式で解説します。避けるべき食品の代替品も紹介しますので、毎日の食事選びにお役立てください。
第5位:アルコール
アルコールは血糖値を急激に変動させる原因となるため、注意が必要です。例えば、ビールや日本酒、ワインや甘いカクテルは糖分が多く、血糖値を上昇させる原因となります。
また、アルコールの過剰摂取はインスリンの働きを阻害する恐れもあるため、摂取量には注意が必要です。糖尿病患者がアルコールを摂取する際には、適量を守るとともに、時には医師や管理栄養士と相談することが望ましいでしょう。
加えて、お酒のおつまみには高糖質・高塩分のものが多く、糖尿病患者には大きな負担となります。おつまみには、無糖や低糖質の代替品を選び、健康への影響を最小限に抑えるよう心がけるとよいでしょう。
<おつまみの代替品>
ビール → 糖質オフ・プリン体ゼロのビール風飲料
カクテル → 無糖の炭酸水やノンアルコール飲料
おつまみ → 野菜スティックや焼き魚
第4位:甘い飲み物(ジュース・炭酸飲料)
ジュースや炭酸飲料には大量の糖分が含まれており、血糖値を急激に上昇させます。さらに、液体は固形物よりも吸収が早いため、血糖値の急上昇を引き起こしやすい特徴があります。
例えば、コーラや果汁100%ジュースは砂糖が1本あたり20g以上含まれることもあります。これは角砂糖に換算すると数個分に相当し、糖尿病患者には大きな負担です。そのため、甘い飲み物はなるべく避け、下記のような飲み物に置き換えてあげるとよいでしょう。
<甘い飲み物の代替品>
ジュース → 無糖のお茶や炭酸水
甘いコーヒー → ブラックコーヒー
スポーツドリンク → 水や経口補水液
第3位:揚げ物類
揚げ物は油を多く吸収するため、カロリーが非常に高くなります。また、脂肪分が多い食事はインスリンの働きを妨げるため、糖尿病患者にとってはリスクが高い食品です。
例えば、唐揚げや天ぷら、フライドポテトなどは調理過程で油を吸い込むため、カロリーが一気に増えます。また、ファストフードに多く含まれるトランス脂肪酸は、血糖値の管理を阻害し動脈硬化のリスクを高める恐れもあります。そのためこれらの揚げ物類は、下記のような形でなるべく油を使わない食事に変換するとよいでしょう。
<揚げ物の代替品>
唐揚げ → オーブンで焼いたチキン
天ぷら → 蒸し野菜や焼き野菜
フライドポテト → オーブンで焼いたポテト
脂質を抑えることでカロリーも大幅にカットできます。健康的な調理方法を選んで、血糖値管理に役立てましょう。
<おすすめレシピ>
高たんぱく ささみとピーマンの中華炒め
第2位:白米やパンなどの高糖質主食
白米やパンなどの精製された主食には糖質が多く含まれており、血糖値を急激に上昇させる原因になります。糖尿病患者がこれらの食品を摂り続けると症状が悪化するリスクが高まるため、できるだけ避けたいところです。
とはいえ、これら主食となる食品を制限するのはなかなか難しいことだと思います。そのため、摂取する場合は下記のような低糖質の食品に置き換えてあげることで、血糖値の上昇を緩やかにすることができるでしょう。
<白米やパンの代替品>
白米 → 玄米や雑穀米
パン → 全粒粉パンやライ麦パン
うどん → そば(そば粉100%)
第1位:お菓子・デザート類
砂糖を多く含むお菓子やデザートは、血糖値を急激に上昇させる最も危険な食品です。特に加工された菓子やスナック菓子は、砂糖や脂肪、塩分が過剰に含まれていることが多いため、注意が必要です。糖尿病患者が過剰に摂取すると症状の悪化を招くだけでなく、合併症のリスクを高めます。
例えば、ケーキやアイスクリーム、ポテトチップスなどは糖分が多く含まれているため、下記のような食品に置き換えてあげるとよいでしょう。
<お菓子・デザート類の代替品>
ケーキ → 糖質オフケーキやおからケーキ
アイスクリーム → 無糖ヨーグルトにフルーツをトッピング
ポテトチップス → 素焼きのナッツ類
クッキー → 低糖質スナックやおからクッキー
チョコレート → カカオ70%以上のチョコレート
砂糖の摂取量を控えるためには、代替となる甘味料を使用したお菓子やフルーツを選ぶことが有効です。フルーツのなかでも、特にベリー類(ラズベリー・ブルーベリーなど)は糖分の摂取を控えつつ甘みも楽しめるため、満足感も得やすくおすすめです。また、適量であれば食物繊維を多く含むナッツ類やダークチョコレートなども良い選択肢となります。
糖尿病患者が注意すべきその他の食品リスト
上記では糖尿病患者が避けるべき食品をランキング形式で紹介しましたが、その他にも注意したい食品は存在します。そこで、ここからはランキング外になったものの、注意したい食品とその代替案を紹介していきます。
加工食品、インスタント食品
加工食品やインスタント食品には、塩分や脂質が過剰に含まれており、糖尿病だけでなく高血圧や脂質異常症などの合併症を引き起こすリスクがあります。特に、手軽に食べられるがゆえに摂取頻度が高くなりやすい点も注意が必要です。
例えば、カップラーメンやレトルトカレー、ハムやソーセージには、保存性を高めるために塩分が多く含まれています。また、揚げ物やファストフードは脂質が多く、かつカロリーが高いため血糖値にも悪影響を及ぼします。そのためこれらの食品は、下記のように塩分控えめの食品に置き換えるなどの対応を取るとよいでしょう。
<加工食品、インスタント食品の代替品>
カップラーメン → 低塩分の手作りスープや具沢山の味噌汁
加工肉 → 鶏むね肉や魚を焼く・蒸す調理法
レトルト食品 → 野菜たっぷりの手作り料理
<おすすめレシピ>
野菜たっぷり 食べるトマトスープ
マンゴー、バナナなどのフルーツ
フルーツはビタミンやミネラルが豊富で健康に良いイメージがありますが、実は果糖(フルクトース)が多く含まれるフルーツは、血糖値を急激に上げる原因となることがあります。
特に、甘みの強いマンゴーやバナナ、パイナップルなどのフルーツには果糖が多く含まれており、一度にたくさん食べると、血糖値が急激に上昇し、症状が悪化するリスクが高まります。そのため、フルーツであれば果糖の少ない、りんごやベリー系(いちごなど)、柑橘系(グレープフルーツなど)のフルーツがおすすめです。
<代替品の例>
バナナ、マンゴー → りんごやベリー系、柑橘類のフルーツ
ドライフルーツ → 生のフルーツを少量
糖尿病患者におすすめの食事法|食べて良い食品とその選び方
血糖値の上昇を抑える方法には、食品の選び方だけでなく「食べ方」を工夫する方法もあります。そこでここからは、血糖値の上昇を抑える食事法や、選ぶべき食品、工夫すべき調理法などについて詳しく解説します。
血糖値を抑える食物繊維を多く含む食品の取り入れ方
血糖値を安定させるためには、食物繊維を意識的に摂取することが効果的です。食物繊維は、糖の吸収を緩やかにし、血糖値の急激な上昇を防ぐ役割があります。また、満腹感を得やすく、食べ過ぎ防止にもつながります。
食物繊維が豊富な食品としては、野菜、海藻類、きのこ類、豆類などがあります。例えば、ほうれん草やブロッコリー、わかめ、納豆などは低糖質かつ食物繊維が多いため、糖尿病患者にとって理想的な食材です。主食を白米から玄米や雑穀米に置き換えるのも、食物繊維をより効率的に摂取する方法として有効でしょう。
<ポイント>
野菜やきのこを味噌汁や煮物にプラスする
主食を白米から玄米や雑穀米に置き換える
<おすすめ食品>
穀類:玄米、大麦、オートミール
野菜:ごぼう、ブロッコリー、モロヘイヤ
豆類:大豆、ひよこ豆
海藻類:わかめ、昆布
きのこ類:まいたけ、しいたけ
<おすすめレシピ>
椎茸の旨味で減塩 高野豆腐の含め煮
調理法で気をつけるべきポイント(蒸し物・煮物の活用)
血糖値をコントロールするという意味では、調理法も大切なポイントになります。
揚げ物や炒め物は油分が多くカロリー過多になりがちですが、蒸し物や煮物は油を使わず栄養素を逃しにくい調理法としておすすめです。
例えば、唐揚げや天ぷらの代わりに「蒸し鶏」や「魚の煮付け」にすることで、カロリーや脂質を抑えつつ満足感を得られます。また、油を使わない「蒸し野菜」や「煮野菜」も、栄養素を逃さず摂取できるおすすめの調理法です。
<おすすめ調理法>
鶏肉 → 蒸し鶏やグリルチキンにする
野菜 → 蒸し野菜や野菜の煮物
魚 → 焼き魚や煮魚にし、油を使わない
脂質を抑えつつ栄養価を高めるためには、蒸す・煮るといった調理法が最適です。これらの調理法は、一見すると面倒なイメージがあるかもしれませんが、電子レンジを活用すると簡単に加熱調理ができるため、忙しい日常でも取り入れやすい方法です。ぜひお試しください。
<おすすめレシピ>
椎茸の旨味で減塩 高野豆腐の含め煮
食事を摂るタイミングと食べ方の工夫(ゆっくり食べるなど)
糖尿病の食事管理では、「どう食べるか」も重要なポイントです。特に食事のタイミングや食べ方を工夫することで、血糖値の急上昇を抑え、食事量のコントロールにもつながります。
例えば、早食いは血糖値を急激に上げる原因となり、インスリンの分泌を乱す可能性があります。また、空腹時に一気に食べるのではなく、3食を適切な時間に摂ることで血糖値の変動を抑えやすくなります。1日3食に加えて「軽い間食」を適切に取り入れるのも、過食を防ぐ方法として有効でしょう。
また、食事は糖質を多く含む「主食」から食べるよりも、繊維質を多く含む「主菜」から先に食べる方が、消化吸収(血糖値の上昇)が穏やかになります。この「ベジファースト」も、ぜひ意識してみてください。
<食事の取り方のポイント>
ゆっくり噛んで食べる(1口30回を目安に)
食事は1日3回、規則正しく摂る
「軽い間食」を適切に取り入れる
野菜を最初に食べる「ベジファースト」を意識する
糖尿病を改善するために日常生活で取り入れたいポイント
糖尿病とうまく付き合っていくために気を付けるべきなのは、食事だけではありません。ここからは、食事以外に、糖尿病の方にぜひ意識していただきたいポイントを2つご紹介いたします。
食事だけでなく運動や生活習慣の改善も重要
糖尿病の改善には、食事管理だけでなく運動や生活習慣の見直しも欠かせません。運動には血糖値を下げる効果があり、インスリンの働きを助ける役割があるからです。また、生活リズムを整えることで、血糖値の乱れも抑えやすくなるでしょう。
運動としては、例えば「ウォーキング」や「軽いジョギング」といった有酸素運動がおすすめです。1回30分程度を週3回行うだけでも効果が十分に期待できます。また、睡眠不足やストレスは血糖値の乱れを招く原因となるため、注意していきましょう。
<生活習慣のポイント>
ウォーキングや軽いジョギングなどの有酸素運動を1日30分程度行う
睡眠時間は6〜8時間を確保し、生活リズムを整える
ストレスを軽減するため、趣味やリラックスする時間を設ける
糖尿病に関する専門家のアドバイスを活用する
糖尿病の改善や管理には、専門家のサポートもどんどん活用していきましょう。
例えば、食事面のことは管理栄養士に相談することで、血糖値の上昇を抑える具体的な食事メニューや食べ方を提案してもらえます。また、身体面のことは医師に相談し、自分にあった適切な治療法を選んでいくとよいでしょう。
悩んだときは一人で抱え込まず、専門家のアドバイスを受けることで、正確な知識に基づいた対策と改善に大きく近づけます。このサイトでも、糖尿病に役立つ多くの調理レシピを公開しておりますので、ぜひ活用してくださいね。
まとめ|食事に注意して糖尿病を効果的に改善しよう
糖尿病とうまく付き合っていくには、日々の食事や生活習慣が何よりも大切です。そこでこの記事では、糖尿病患者が「避けるべき食品ランキング」をはじめ、食事の摂り方の工夫や、日常生活における注意点などを詳しくご紹介しました。
まずは、糖質を多く含むスイーツ、白米、揚げ物など、血糖値を急激に上昇させる食品をなるべく避け、食物繊維の多い食品や低糖質の代替品を選ぶことから始めていきましょう。また、簡単に取り入れられる工夫として「ゆっくり食べる」「野菜から食べる」なども効果的です。
糖尿病は一度発症すると長く付き合う病気ですが、正しい知識と工夫で改善することが可能です。毎日の食事を見直し、健康的な生活を続けることで、糖尿病に負けない体づくりを目指しましょう。