糖尿病の食事回数は1日何回が良い?食事を抜く影響や食事間隔を解説
26/10/16 19:30
糖尿病の食事管理では、「何を食べるか」だけでなく、「1日に何回食べるか」も気になるところです。「忙しくて1日2食になることがある」「小分けに食べたほうが良いと聞いた」など、食事回数について迷う方もいるのではないでしょうか。
糖尿病の食事では、朝・昼・夕の3食をできるだけ規則正しくとることが基本です。ただし、1日2食だから必ず血糖値に悪い、食事回数を増やせば良い、というように単純に決められるものではありません。食事をとる時間帯や1回の食事量、1日の総摂取量なども、あわせて考える必要があります。
そこでこの記事では、糖尿病の食事回数と血糖値の関係や、食事を抜いた場合の影響、食事間隔について解説します。分割食や1日の食事例も紹介しますので、毎日の食事管理にぜひ役立ててください。
※本記事では、主に成人の2型糖尿病における一般的な食事の考え方を解説します。1型糖尿病や妊娠糖尿病、腎機能が低下している方などは、主治医や管理栄養士の指示を優先してください。
糖尿病の食事回数は1日何回が良い?

糖尿病の食事管理で大切なのは、単に「1日3回食べる」ことではなく、1日に必要なエネルギー量を適切に分け、栄養バランスのとれた食事を続けることです。朝食・昼食・夕食の3食を規則正しくとることは、そのための基本となる考え方といえます。
一方、1日2食や1日1食にした場合に血糖値へどう影響するかは、どの食事を抜くのか、1回にどのくらい食べるのかによっても変わります。まずは、3食を基本とする考え方と、食事回数を減らした場合に考えられる影響を見ていきましょう。
基本は1日3食を規則正しくとることを意識する
3食に分けて食べることで、1日の食事量を各食に配分しやすくなります。反対に、朝食を抜いて昼食や夕食に食事量が偏ると、1回に食べる量が増えやすくなるため注意が必要です。
ただし、「毎日まったく同じ時間に食べなければならない」というわけではありません。仕事や家事の都合で多少前後することはあるでしょう。大切なのは、朝食を抜く日が続いたり、夕食が毎日のように遅くなったりするなど、不規則な食事が習慣化しないようにすることです。
食事回数だけでなく、1日の適切なエネルギー量や栄養バランスにも目を向けることが大切です。主食・主菜・副菜を組み合わせ、自分に合った量を朝・昼・夕に分けて食べることを意識しましょう。
1日2食や1日1食では血糖値にどのような影響がある?
1日2食や1日1食が、すべての糖尿病の方に悪いとは一概にいえません。ただし、食事を抜いたことで次の食事までの時間が長くなったり、1回にまとめて多く食べたりする場合は注意が必要です。
特に朝食を抜くと、その後の昼食や夕食後の血糖値が高くなる可能性があります。また、1回の食事量が多くなると、食後の血糖値が急激に上昇する「血糖値スパイク」につながる可能性もあります。「食事回数を減らせば摂取カロリーも減るから良い」と単純に考えるのではなく、どの食事を抜くか、その後にどのくらい食べるかまで考えることが大切です。
また、長時間何も食べずにいると、強い空腹から早食いや食べ過ぎにつながることもあります。1日2食になった結果、1食あたりの量が多くなっている場合は、1日の食べ方を見直してみましょう。
なお、血糖コントロールの良し悪しは食事回数だけで決まるわけではなく、食事をとる時間帯や内容、1日の総摂取量などによっても変わります。特にインスリンや低血糖を起こす可能性のある薬を使用している方は、食事を抜くことで低血糖につながる場合があるため、自己判断で食事回数を減らさず、主治医の指示に従ってください。
参考記事:糖尿病の食事1400キロカロリーは何をどれだけ? ご飯の量や献立例、単位計算まで徹底解説
糖尿病では食事を何時間おきにとるのが良い?

糖尿病の食事について、「必ず○時間おきに食べる」という一律の決まりはありません。具体的な時間数を守ることよりも、朝・昼・夕の3食をできるだけ規則正しくとることが大切です。
たとえば、朝食を7時、昼食を12時、夕食を18時にとる場合、食事と食事の間は5〜6時間程度になります。ただし、これはあくまで生活リズムの一例であり、「5〜6時間空けるのが正解」という意味ではありません。起床時間や勤務時間、家族との食事時間などによって、無理なく続けられる食事時間は人それぞれです。決められた時間に合わせるために食事を抜くのではなく、自分の生活の中で朝・昼・夕の食事をとりやすい時間を整えていきましょう。
朝食を抜いて昼まで何も食べない、昼食から夕食まで極端に間隔が空くといった食生活が続いている場合は、1日の食事リズムを見直すことも大切です。特にインスリンや一部の血糖降下薬を使用している方は、食事時間が大きく変わることで低血糖につながることもあるため、食事時間を変更したい場合は、薬の使い方も含めて主治医や薬剤師に確認しましょう。
食事をとる時間帯や、夕食が遅くなる場合の食べ方について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
参考記事:糖尿病の食事時間は何時がいい?血糖値との関係や間食のタイミングを解説
糖尿病で食事回数を増やす「分割食」とは?
分割食とは、1日の食事量を増やすのではなく、予定している食事を複数回に分けて食べる方法です。1回分の食事の一部を別の時間帯に回すことで、1度に食べる量を少なくします。たとえば、仕事の都合で夕食が遅くなる場合、夕食の一部を早い時間帯に食べ、帰宅後に残りをとるといった方法があります。
ただしここで注意したいのは、「分割食」は、朝・昼・夕の3食を通常どおり食べたうえで、さらに食事を追加する方法ではないことです。単純に食事回数だけを増やすと、その分1日の摂取エネルギー量が増えてしまう可能性があります。「細かく分けて食べるほど血糖値に良い」とも限りません。分割食が適しているかどうかは、普段の食事時間や食事量、治療内容などによって異なります。
そのため分割食を取り入れる場合は、1日の食事量を変えずに、いつ・どのくらい食べるかを考えることが重要です。インスリンや血糖降下薬を使用している方は、食事時間の変更が治療にも関係するため、主治医や管理栄養士に相談してから取り入れましょう。
糖尿病の食事回数を意識した1日の食事例

糖尿病の食事では、「何回食べるか」と同時に、「1回にどのくらい食べるか」「どのような食品を組み合わせるか」を考えることも大切です。基本となるのは、自分に合った1日のエネルギー量を朝・昼・夕に分け、食事内容が主食だけ、おかずだけといった偏ったものにならないようにすることです。
ここからは、1回の食事量の考え方と、3食をとる場合の具体的なイメージを紹介します。
1回の食事量はどのように考える?
1回の食事量を考えるときは、「糖質を1食○gまで」などと一律に決めるのではなく、まず自分に適した1日のエネルギー量を確認することが大切です。必要なエネルギー量は、体格や身体活動量、年齢によって一人ひとり異なり、血糖コントロールの状態や合併症の有無によっても調整が必要になるため、同じ糖尿病でも適切な食事量は同じとは限りません。
たとえば、朝食をほとんど食べず、その分を夕食にまとめるより、朝・昼・夕に分けてとるほうが食事のリズムを整えやすくなります。また、糖質だけに注目して主食を極端に減らすのではなく、ごはんやパンなどの主食、魚・肉・卵・大豆製品などの主菜、野菜・きのこ・海藻などを使った副菜を組み合わせ、食事全体のバランスを見ることも大切です。
なお、具体的なエネルギー量や糖質量について医師や管理栄養士から指示を受けている方は、その内容を優先してください。
朝・昼・夕の3食をとる場合の食事例
朝・昼・夕の3食をとる場合は、それぞれの食事で主食・主菜・副菜を意識すると、食事内容の偏りを防ぎやすくなります。
<1日の食事例>
- ・朝食:ごはんやパン+卵や納豆など+野菜料理
- ・昼食:ごはん+魚・肉・大豆製品などの主菜+野菜を使った副菜
- ・夕食:ごはん+魚・肉・豆腐などの主菜+野菜・きのこ・海藻などの副菜
これはあくまで食品の組み合わせをイメージするための一例で、ごはんやおかずの適切な量は1日に必要なエネルギー量や治療内容によって異なります。糖尿病だからといって特定の食品を一律に禁止する必要はないため、自分に適した食事量の範囲で、さまざまな食品を組み合わせることを意識しましょう。
より具体的な献立を知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
参考記事:糖尿病食1日分の食事メニュー|血糖値が安定しやすい献立例と簡単レシピを紹介
間食をとる場合の取り入れ方
間食は、量やタイミングに配慮しながら取り入れることができます。ただし、朝・昼・夕の3食に加えて間食をとれば、その分1日の摂取エネルギー量が増えやすくなります。
間食をとる場合は、食べる量をあらかじめ決め、だらだらと食べ続けないようにすることが大切です。栄養成分表示を確認しながら、3食と間食を合わせて1日の食事量を考えましょう。「食事と食事の間が空くから、とりあえず何か食べておこう」と自己判断で間食を追加するのではなく、普段の食事時間や量を見直すことも必要です。
なお、インスリン治療などで低血糖を防ぐために必要となる「補食」は、一般的なおやつとは目的が異なります。医療スタッフから補食について指示を受けている場合は、その内容に従ってください。
糖尿病の食事回数に関するよくある質問

ここでは、糖尿病の食事回数について疑問に感じやすいポイントをまとめます。「朝食を食べられない日はどうすれば良い?」「間食も1食として数える?」など、日常生活では単純に「3食食べる」だけでは判断しにくい場面もあるでしょう。食事回数だけでなく、1日の中でいつ、何を、どのくらい食べているかを振り返ることが大切です。
朝食を食べられない日はどうすれば良い?
朝食を抜くと、その後の昼食や夕食後の血糖値が高くなる可能性があります。そのため、朝食を食べられなかった場合、その分を昼食でまとめて食べて調整するのは避けたほうがよいでしょう。朝食を抜く日が多い方は、「朝は食欲がない」で終わらせず、夕食や就寝時間が遅くなっていないか、夜食をとる習慣がないかなど、生活リズム全体を振り返ってみましょう。
朝に十分な量を食べるのが難しい場合は、自分の食事療法の範囲内で、どのような食べ方なら続けやすいかを管理栄養士などに相談するのも一つの方法です。
なお、インスリンや低血糖を起こす可能性のある薬を使用している場合、食事がとれない日の対応は薬によって異なります。自己判断で薬を中止したり服用方法を変えたりせず、事前に主治医や薬剤師へ確認しておきましょう。
間食は食事回数に含める?
一般的に「1日3食」という場合は、朝食・昼食・夕食を指し、間食は別に考えます。ただし、血糖値や摂取エネルギーを管理するうえでは、間食も1日の食事全体に含めて考える必要があります。たとえば、「3食しか食べていない」と思っていても、午前や午後にお菓子を食べたり、夕食後に何か口にしたりしていれば、その分のエネルギーや糖質も摂取しています。
「間食を何回目の食事として数えるか」にこだわるよりも、何時ごろに何をどのくらい食べたかを確認するほうが大切です。間食が習慣になっている方は、3食だけでなく間食も含めて1日の食事を振り返ると、食べる量やタイミングの偏りに気づきやすくなるでしょう。
まとめ
糖尿病の食事回数は、朝・昼・夕の3食を規則正しくとることが基本です。ただし、「3食なら必ず良い」「2食なら悪い」と、食事回数だけで決められるものではありません。
食事をとる時間帯や1回の食事量、1日の総摂取量などもあわせて考えることが大切です。食事間隔についても「必ず○時間おき」という一律の基準はないため、自分の生活の中で規則的な食事を続けることを意識しましょう。
分割食や間食を取り入れる場合も、単純に食べる回数を増やすのではなく、1日の食事量全体で考えることがポイントです。