糖尿病でもピザは食べていい?血糖値を上げない食べ方や低糖質レシピを徹底解説
26/04/01 00:49
「糖尿病診断を受けたけれど、大好きなピザを一生我慢しなければならないの?」と不安に感じていませんか。ピザは糖質も脂質も高く、血糖値を急激に上昇させるイメージが強いため、食事制限中には真っ先に避けられがちなメニューです。
しかし、結論からお伝えすると、工夫次第で糖尿病の方でもピザを楽しむことは十分に可能です。
この記事では、血糖値スパイク(食後に血糖値が急上昇・急降下する現象)を抑えるためのピザの選び方や食べ方についてお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。
糖尿病でもピザは食べて大丈夫?
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ここでは、なぜピザが注意を要するのか、そして具体的にどの程度の量なら許容範囲なのかを整理していきましょう。
ピザが糖尿病に「悪い」と言われる理由
ピザが糖尿病に良くないと言われる一番の理由は、「炭水化物(小麦の生地)」と「脂質(チーズや油)」が同時に多く含まれ、血糖値が上がりやすく、かつ高カロリーになりやすいからです。
一般的なレギュラークラストのピザ1枚(約100g)には、おおよそ30g前後の炭水化物が含まれており、血糖値を上げる力(糖質量)としては決して少なくありません。
さらに、チーズやサラミ・ペパロニなどの加工肉、オイルが加わることで脂質も増え、1枚あたりのエネルギー量は高めになります。炭水化物が多いと血糖値が上がりやすく、脂質が多いと消化吸収がゆっくりになるため、「食後すぐではなく、数時間かけてじわじわ血糖値が高い状態が続く」というパターンも起こりやすいです。
その結果、血糖コントロールが乱れたり、カロリーオーバーから体重増加につながるおそれがあり、「糖尿病には良くない」と言われてしまうのです。
参考記事:糖尿病の食事でダメなものランキング|血糖値に悪影響を与える食品とは
結論:量と食べ方に気をつければ食べられる
結論から言うと、糖尿病でもピザは食べられます。糖尿病情報センターでも、糖尿病だからといって食べてはいけないものはないと案内されています。
重要なのは、指示エネルギーの範囲で、規則正しく、バランスよく食べること。ピザを食べるなら、野菜やスープを先に食べる、厚い生地を避ける、夜遅くにドカ食いしない、といった工夫を加えるだけでも、負担はかなり変わるでしょう。
1食あたりの適切な枚数(摂取量)の目安
適切な枚数は体格や治療内容で変わりますが、考え方の軸は「1食の炭水化物量に収まるかどうか」です。
糖尿病の方が1食に摂取して良い炭水化物量は、一般的に指示されるエネルギー量の範囲内、おおよそカーボカウント(炭水化物量の計算)で40〜60g程度が目安です。これを一般的なピザに当てはめると、以下のようになります。
【1食あたりの摂取目安】
・Mサイズ(標準的な厚みの生地):1〜2枚まで
・クリスピー生地(薄い生地):2〜3枚まで
宅配ピザのMサイズ1枚(8等分)の糖質は約15〜20gです。3枚食べてしまうと、それだけで1食の糖質目安を超えてしまう可能性が高いでしょう。自分の1日の許容エネルギー量を把握したうえで、他の食事とのバランスを調整してください。
糖尿病患者がピザを食べるときの工夫と食べ方

同じピザでも、食べ方しだいで血糖値の動きは変わります。ここでは難しい制限ではなく、今日から取り入れやすい工夫を紹介します。
「ベジタブルファースト」で糖の吸収を穏やかにする
ピザを食べるときにまず意識したいのが、「いきなりピザから食べない」ということです。最初に野菜のおかず(サラダや温野菜など)をしっかり食べてから、ピザに手を伸ばすことで、血糖値の上昇をゆるやかにしやすくなります。
野菜には食物繊維が多く含まれており、この食物繊維が腸の中で糖の吸収スピードを抑える働きをするため、「ベジタブルファースト(野菜から食べる)」は血糖値対策としてよく推奨される方法です。
具体的には、レタスやキャベツ、きゅうりなどの生野菜サラダに、ブロッコリーやほうれん草のおひたし、きのこのソテーなどを組み合わせると、ボリュームも出て満足感を得やすくなります。
ピザを食べる前にこれらの野菜おかずをしっかり食べておくと、自然とピザの枚数も減らせるので、カロリーオフにもつながります。血糖値が気になるときほど、「まず野菜を口にする」という工夫を行ってみてください。
参考記事:糖尿病を改善する食事療法|7つのルールと今日から使えるレシピ集
副菜にはサラダやスープを!一緒に食べたいおすすめ食材
ピザ単品ではビタミンやミネラル、食物繊維が圧倒的に不足します。これらを補うために、副菜の選び方が重要になります。おすすめは、噛み応えのある生野菜サラダや、海藻・きのこ類をたっぷり使ったスープです。
<ピザと一緒に摂りたいおすすめ食材>
・海藻類(わかめ・メカブ):ネバネバ成分が糖の吸収を抑える
・きのこ類(エリンギ・マッシュルーム):低カロリーで食物繊維が豊富
・酢の物:お酢に含まれる酢酸には、血糖値の上昇を緩やかにする働きがある
逆に、セットで頼みがちなフライドポテトやナゲットは、糖質と脂質の塊なので避けるのが無難でしょう。飲み物もコーラなどの加糖飲料ではなく、ブラックコーヒーや緑茶、ウーロン茶を選ぶことで、余計なカロリー摂取を防げます。
食べる時間帯に注意!夕食よりも活動量の多い昼食に
食べる「時間」も血糖値管理には欠かせない要素です。
私たちの体には「ビーマルワン(BMAL1)」という、脂肪を溜め込みやすくするタンパク質が存在し、夜間にその働きが活発になります。夜遅くに高カロリー・高糖質なピザを食べると、脂肪として蓄積されやすく、翌朝の血糖値にも悪影響を及ぼしかねないのです。
そのため、ピザを楽しむなら、夕食よりも「昼食」に食べることをおすすめします。昼食後であれば、家事や仕事、散歩などの活動によって摂取したエネルギーを消費しやすいためです。
もし夕食にピザを食べたくなったら、就寝の3時間前までには食事を済ませ、食後に少し室内で足踏みをするなどの軽い運動を取り入れると、血糖値の上昇を抑えやすくなるでしょう。
糖尿病でも安心なピザの選び方|宅配・外食・コンビニのポイント
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ピザは種類によって負担がかなり違います。ここでは「どの店が絶対安全か」ではなく、メニュー表を見たときに何を優先して選べばよいのか、その基準を整理していきます。
生地の種類:厚いパン生地より「クリスピー生地」を選択
まず注目したいのが、生地(クラスト)の種類です。一般的に、厚いパン生地(パンピザ)やふっくらしたレギュラークラストは、小麦粉の量が多く、そのぶん炭水化物量が多くなりがちです。
一方で、薄いクリスピー生地やイタリアンタイプの薄焼きピザは、生地の量自体が少ないため、同じサイズでも炭水化物が抑えられる傾向があります。
実際、「1枚あたり20〜30g程度の炭水化物」とされることが多いピザですが、厚い生地では1枚で30〜50gになることもあるのに対し、薄い生地なら下限に近づけやすいとされています。
また、最近は高たんぱく・低糖質をうたった冷凍ピザや、糖質オフ生地を採用した商品も増えてきており、日本でも高たんぱく・低糖質生地の冷凍ピザ市場が拡大しています。
宅配や外食、コンビニで選べる範囲の中で、「できるだけ薄い・小さいサイズの生地」「糖質オフ生地」を優先するのが、血糖値対策として賢い選び方と言えるでしょう。
トッピングの選び方:照り焼き系より「シーフード・野菜・チーズ」
トッピング選びのポイントになるのが「タレ」と「具材」の種類です。日本人に人気の「照り焼きチキン」や「プルコギ」などは、味付けに大量の砂糖やみりんが使われているため、見かけ以上の糖質を含んでいます。これらは「隠れ糖質」として血糖値を押し上げる原因になるでしょう。
選ぶべきは、素材の味を活かしたシンプルなトッピングです。
<おすすめ>
マリナーラ(トマトとガーリック)、マルゲリータ、シーフード、アスパラやピーマンなどの野菜系
<避けたい>
照り焼き、ポテトマヨ、コーンたっぷり、厚切りベーコン
特にエビやイカなどのシーフードは、高タンパク・低脂質で糖尿病の方に適しています。野菜が多めのピザを選べば、それだけで食物繊維の摂取量を底上げできるため、積極的に選ぶと良いでしょう。
参考記事:糖尿病を食事で改善するには?糖尿病に良い食べ物ランキング10選
チーズは意外と低糖質!ただし脂質と塩分には要注意
意外かもしれませんが、チーズ自体は糖質が非常に低い食品です。そのため、糖尿病において「血糖値を直接上げる」原因にはなりにくいといえます。ピザのチーズを増量しても、それによって糖質が激増することはないでしょう。
しかし、注意しなければならないのは「脂質」と「塩分」です。チーズはカロリーが高く、食べすぎると肥満を助長し、結果として糖尿病の悪化を招く恐れがあります。
また、ピザは全体的に塩分が強くなりがちで、高血圧を合併しやすい糖尿病患者にとっては、血管への負担が懸念されます。チーズは「血糖値は上げにくいが、カロリーと塩分は高い」という特性を理解し、ほどほどの量を意識してください。
牛丼やパスタと比較したピザの血糖値リスク
「ピザは他の外食と比べてどれくらい悪いのか?」と気になる方も多いと思います。
牛丼やパスタも糖質が多いメニューですが、その特徴は少しずつ異なります。一般的な並盛りの牛丼は、白米が中心で糖質が多く、脂質もそれなりに含まれますが、たんぱく質も比較的しっかりとれるメニューです。
一方、クリーム系やトマトソース系のパスタは、麺が小麦粉100%に近く、1食あたりの糖質はかなり高くなります。ピザの場合は、1カット単位で見れば炭水化物は1枚あたり20〜30g程度とされていますが、複数枚食べると牛丼やパスタと同等かそれ以上の糖質になることも珍しくありません。
また、ピザは脂質が多いトッピングを選びやすく、総カロリーが高くなりやすい点も注意が必要です。つまり、「1枚だけなら他のメニューよりマシ」というわけではなく、「何枚食べるか」「どんなトッピングか」によって、牛丼やパスタ以上に血糖値とカロリーの負担が大きくなる可能性もあると理解しておきましょう。
参考記事:糖尿病の食事は何カロリーが正解? 摂取カロリーの計算方法とご飯の量の目安
よくある質問(Q&A)
最後に、実際によくある質問をまとめて整理します。
チーズは糖尿病に悪い?
前述の通り、チーズそのものは低糖質なため、血糖値を直接跳ね上げることはありません。それどころか、タンパク質が豊富なため、少量であれば満腹感を持続させる助けにもなります。ただし、脂質と塩分が多く含まれるため、「食べ過ぎると体重増加や血圧上昇のリスクが高まる」という点は覚えておきましょう。
ピザトーストはピザよりもマシ?
自宅で手軽に作れるピザトーストですが、実は「パンの種類」によってリスクが大きく変わります。市販の白い食パン(6枚切りなど)はGI値が非常に高く、ピザのクリスピー生地よりも血糖値を急上昇させやすい傾向があります。
ピザトーストを食べるなら、パンを「全粒粉パン」や「ブランパン(ふすまパン)」に置き換えると良いでしょう。これらは食物繊維が豊富で、食後の血糖値上昇を抑える効果があります。
また、パンを薄く切る、あるいは半分にする代わりに、トッピングのピーマンや玉ねぎ、キノコを盛ることで、満足感を削らずに糖質を抑えられます。工夫次第では、市販のピザを食べるよりも健康的な選択肢になり得るでしょう。
糖尿病の人はピザを控えるべき?
「絶対に控えるべき」と決めつける必要はありませんが、「頻度」を考えることは不可欠でしょう。毎日、あるいは毎週のように宅配ピザを食べていては、いくら食べ方を工夫しても数値の改善は難しいものです。ピザはあくまで「時々の楽しみ(ハレの日)」の食事としておくのが理想的です。
また、ご自身の現在の血糖コントロール状態(HbA1cの値など)によっても許容範囲は異なります。合併症が進んでいる場合や、医師から厳格な糖質制限を指示されている場合は、自己判断せずに必ず主治医の指示を仰いでください。数値が安定している時期に、今回ご紹介したルールを守って1〜2枚楽しむ程度であれば、生活の質(QOL)を高める良いリフレッシュになるはずです。
まとめ
糖尿病の方でも、ピザは絶対に食べてはいけない食品ではありません。
ただし、厚い生地、甘いソース、加工肉、追加チーズが重なると、血糖値だけでなく脂質や塩分の面でも負担が大きくなります。選ぶならクリスピー生地、トマト系ソース、野菜やシーフード系トッピングを基本に。
そして、サラダやスープを先に食べ、できれば昼に、量は控えめにする。この形なら、ピザとうまく付き合いやすくなるでしょう。
なお、自己判断がしにくい場合は、次回の診察時に、主治医や管理栄養士さんに「ピザを1枚食べたいのですが、私の今の数値なら大丈夫ですか?」と具体的に相談してみてくださいね。