ココロとカラダを健康に。管理栄養士監修のレシピサイト

シェア

ココロとカラダを健康に。管理栄養士監修のレシピサイト

糖尿病予備軍から脱却する食事法|今日からできる5つの食習慣と控えたい食品リスト

25/11/01 01:12

シェア

糖尿病予備軍と診断されたとき、「急いで食事制限をしないと」と焦ってしまう人も多いでしょう。ですが、糖尿病予備軍の段階であれば、ポイントを押さえた食事方法を続けることで血糖値は安定し、糖尿病への進行を防ぐことができます。

そこで本記事では、糖尿病予備軍と言われた方に実践していただきたい食事の基本・控えたい食品・おすすめのメニューまで、今日から実践できる内容を具体的にご紹介します。ぜひご覧ください。

 

糖尿病予備軍とは?食事で改善・予防できる理由

まずは、糖尿病予備軍の基準やリスク、そして食事による改善の可能性について解説します。

 

糖尿病予備軍とはどんな状態?その診断基準

糖尿病予備軍とは、まだ糖尿病には至っていないものの、血糖値が正常より少し高い状態を指します。具体的には、空腹時血糖値が100〜125mg/dL、またはHbA1c(過去1〜2か月の平均血糖値)が5.6〜6.4%の範囲にある状態です。
(参考:糖尿病予備群といわれたら | 糖尿病情報センター)

明確な糖尿病ではないものの、インスリン(血糖を下げるホルモン)の働きが弱まりつつある段階で、放置すれば糖尿病になる可能性が高い状態といえます。

 

放置するとやばい?糖尿病へ進行するリスクも

糖尿病予備軍の状態をそのままにすると、数年以内に約3人に1人が糖尿病を発症するといわれています。また、血糖値の高い状態が続くと血管が傷つき、動脈硬化・心筋梗塞・脳卒中などの合併症リスクも高まってしまいます。

さらに怖いのは、自覚症状がほとんどないまま進行する可能性があることです。「疲れやすい」「喉が渇く」といった軽い変化に気を配りながら、糖尿病への進行を予防する生活を始めていきましょう。

 

食事改善で「治る」可能性はある?

糖尿病予備軍は、食習慣を見直すことで「正常値に戻せる可能性」が十分にあります。食事によって血糖値の乱れを整え、インスリン抵抗性(インスリンの効きにくさ)を改善できるからです。

具体的には、主食・主菜・副菜のバランスを整え、糖質を摂りすぎない工夫をすること。また、食物繊維を多く含む食品を増やすことで、血糖値の上昇をゆるやかにできます。予備軍の今こそ「生活習慣を整えるチャンス」と捉え、早めに対策をとっていくことが大切でしょう。

 

糖尿病予備軍の方に意識してほしい5つのポイント

糖尿病予備軍の食事改善は、「我慢する」よりも「整える」ことが基本です。食べ方や組み合わせ、時間の工夫で血糖値の安定を目指しましょう。ここでは、無理なく続けられる5つのポイントを紹介します。

 

①血糖値を安定させるための食事バランスを意識する

血糖値を安定させるポイントは、主食・主菜・副菜の「三点バランス」を保つことです。ご飯やパンなどの炭水化物を取りすぎると、血糖値を急激に上昇させてしまいます。

理想の栄養バランスは、炭水化物50〜60%、たんぱく質15〜20%、脂質20〜25%。野菜・魚・大豆製品・きのこ類を組み合わせることで、栄養を過不足なく摂取できます。食事全体を「血糖値が上がりにくい構成」にする意識を持つとよいでしょう。

 

②食べすぎを防ぐために「腹八分目」とリズムを整える

食べすぎは血糖値上昇の最大要因となります。腹八分目を意識することで、インスリンの分泌量を抑え、血糖コントロールが安定するでしょう。

また、食事のリズムを整えることも重要です。1日3食を同じ時間帯に摂ることで、体内時計が安定し、血糖値の乱高下を防げます。夜遅くの食事や間食のとりすぎは避け、規則正しいリズムを意識しましょう。

 

③炭水化物・脂質・タンパク質をバランスよく摂る

単純に「糖を控えればいい」と思われる方も多いのですが、極端な糖質制限はかえって代謝を落とし、逆効果になることも。栄養バランスの取れた食事を基本とし、極端な制限は控えましょう。

たとえば、炭水化物は適量(1食でお茶碗軽く1杯)に抑え、脂質は揚げ物よりも魚やナッツなど良質な油を選ぶといいですね。タンパク質は肉・魚・大豆製品を毎食に取り入れるとGood。朝は卵と納豆、昼は鶏むね肉、夜は焼き魚など、組み合わせを意識してみてください。

 

④食べる順番とスピードで血糖値の上昇をゆるやかにする

同じ食事でも「順番とスピード」で血糖値の上がり方が変わります。野菜→タンパク質→炭水化物の順に食べると、糖の吸収がゆるやかになりますよ。

また、早食いはインスリンの働きを乱し、満腹感を感じにくくするため注意が必要です。一口30回を目安にゆっくり噛むことで、血糖値の上昇を抑えながら満足感を得られます。満腹中枢も働きやすく、自然に食べすぎを防げるので、ぜひお試しください。

 

⑤食物繊維を多く含む食材を毎日の食事に取り入れる

食物繊維には、糖の吸収を穏やかにし、血糖値の上昇を抑える働きがあります。おすすめの食材は、野菜(ごぼう・ブロッコリー)、豆類(大豆・レンズ豆)、きのこ類(しいたけ・えのき)など。

また、発酵食品(納豆・ヨーグルト)を組み合わせると腸内環境も整い、血糖コントロールがより安定します。まずは、毎食に「野菜を一品足す」意識から始めてみるのがおすすめです。

なお、以下の記事では糖尿病を改善するための食事療法を、7つのルールとして紹介しています。糖尿病予備軍の方にも参考になる情報ですので、ぜひご覧ください。

参考記事:糖尿病を改善する食事療法|7つのルールと今日から使えるレシピ集

 

糖尿病予備軍の方に避けて(控えて)ほしい食べ物とその工夫

ここからは、糖尿病予備軍の方に控えてほしい食品とその代替食品を紹介します。

 

血糖値を急上昇させる食品(白米・パン・甘い飲み物など)

白米や食パン、うどんなど精製された炭水化物はGI値(血糖上昇度)が高く、血糖値を一気に上げやすい食品です。特に清涼飲料水や砂糖入りのコーヒーなどは、1本で角砂糖10個分の糖分が含まれることもあり、摂り方には注意が必要です。

そのため糖尿病予備軍の方は、これらを「主食」から「嗜好品」として位置づけ、まずは摂取頻度を減らすことが大切です。主食を雑穀米や玄米に変えたり、飲み物を無糖茶・水に置き換えるのも効果的でしょう。「甘いものを完全に我慢」ではなく、「頻度と量を見直す」意識が大切です。

 

脂質・塩分の多い食品(揚げ物・加工肉・スナック菓子)

揚げ物や加工肉類(ソーセージ・ベーコンなど)は、脂質・塩分が多く血管に負担をかけやすい食品です。特にスナック菓子やベーコン、ソーセージは、少量でも高カロリー・高塩分です。

どうしても食べたい場合は、揚げるより「焼く・蒸す・煮る」などの調理法に変えるのがおすすめ。味付けも、塩やマヨネーズではなく、香辛料・レモン・ハーブを使うことで減塩しながらも満足感を高められるでしょう。

 

果物・ジュース・アルコール

果物はビタミンや食物繊維が豊富ですが、果糖(果物の糖)を多く含むため食べすぎには注意が必要です。バナナやぶどうなど糖度が高い果物は控えめにしつつ、1日100g程度(みかん1個やリンゴ半分くらい)を目安にしましょう。特に、ジュースやスムージーにすると糖が吸収されやすくなってしまうため、果実のまま摂るのがおすすめです。

また、アルコールは血糖値を乱すほか、空腹時に飲むと低血糖を引き起こすリスクもあります。どうしても飲みたい場合は、糖質オフビールや焼酎など低糖のお酒を選び、水や炭酸で割って飲むようにするとよいでしょう。

なお、以下の記事では糖尿病患者さんが避けたい食品をランキング形式で紹介しています。こちらもあわせてぜひご覧ください。

参考記事:糖尿病の食事でダメなものランキング|血糖値に悪影響を与える食品とは

 

コンビニや外食で避けたいメニューの例

コンビニや外食では、どんぶり・パスタなど炭水化物中心のメニューが多く、知らずに糖質を摂りすぎてしまうことも。特に以下のようなメニューは黄色信号です。

<避けたいメニューの例>
・カツ丼、親子丼、牛丼などの「ご飯+具材一体型メニュー」
・ナポリタン、カルボナーラなどの「ソース系パスタ」
・カツカレーなどの「揚げ物×糖質たっぷりメニュー」
・チャーハン、オムライスなどの「油・糖質が多いご飯料理」
・菓子パン+カフェラテなどの「糖と脂質が多いセットメニュー」

コンビニや外食では「主食+たんぱく質+野菜」の3点セットを意識したいところ。具体的なメニューについては後述する見出し「忙しい人向け!コンビニ・外食メニューの上手な組み合わせ方」をご確認ください。

 

糖尿病予備軍の方におすすめの食材・メニュー

糖尿病予備軍にとって理想の食事は、血糖値をゆるやかに上げながら、満足感を得られるメニューです。ここでは、具体的な食材・メニューの工夫を紹介します。

 

血糖値を安定させる食材一覧

・主食:玄米、雑穀米、全粒粉パン、十割そば、もち麦
・主菜:鶏むね肉、魚(サバ・サンマ・サケ)、豆腐、納豆、卵
・副菜:ブロッコリー・ほうれん草・わかめ・きのこ(特に舞茸・しめじ)
・間食:素焼きナッツ、無糖ヨーグルト、高カカオチョコレート少量

これらの食品は低GI値で、血糖上昇を緩やかにする特徴があります。特にきのこ類や海藻は食物繊維が豊富で、毎食取り入れると腸内環境が整い、脂質や糖質の吸収を抑えてくれるでしょう。

また、納豆や豆腐などの大豆製品は、植物性たんぱく質とイソフラボンによってホルモンバランスを整える働きもあります。ぜひ積極的に取り入れてみてください。

 

糖尿病予防におすすめのメニュー

おすすめは、一汁三菜スタイルです。例えば、朝は玄米おにぎり+ゆで卵+味噌汁。昼は、焼き魚定食や野菜たっぷりの中華丼。夜は、鶏むね肉とブロッコリーの炒めもの+雑穀ごはん+冷ややっこなどの組み合わせが理想的です。味付けは薄めを意識し、調味料ではなく素材の旨味を楽しむ工夫をしましょう。

また、当サイトでは管理栄養士監修のレシピを多数掲載しています。バランスの取れた献立を参考にしながら、毎日の食事づくりにぜひお役立てください。

管理栄養士監修:糖尿病のレシピ一覧はこちら▼

 

忙しい人向け!コンビニ・外食メニューの上手な組み合わせ方

コンビニや外食では「主食+たんぱく質+野菜」の3点セットを意識したいところです。具体的には、コンビニなら以下のような組み合わせがおすすめ。外食なら、そばや定食屋の小鉢付きメニューを選ぶだけで手軽にバランスが整うでしょう。

<コンビニのおすすめメニュー例>
・焼き魚定食(ご飯少なめ+味噌汁+サラダ)
・サラダチキン+野菜スープ+おにぎり1個
・そば(温or冷)+サラダ+温泉卵
・野菜+たんぱく質+主食の3点セット(例:ひじき煮+豆腐ハンバーグ+雑穀おにぎり)

参考記事:「糖尿病予防の食事」完全ガイド|おすすめ食材・レシピ・NG例まで徹底解説

 

まとめ

糖尿病予備軍と診断されると、誰しも少なからず不安を感じるものです。「もう好きなものが食べられないのでは」「このまま糖尿病になってしまうのでは」と心配になる方も多いでしょう。

しかし、今の段階で気づけたことこそが最大のチャンスです。

食事の工夫や生活習慣の見直しを少しずつ続けることで、血糖値はしっかり安定していきます。完璧を目指す必要はありません。

当サイトでは、管理栄養士が監修した糖尿病予備軍の方でもおいしく続けられるレシピを多数ご紹介していますので、ぜひご活用いただけたらと思います。

無理せず、できることから始めていきましょう。

あなたの健康な毎日を、私たちも一緒に応援しています。


 

シェア

このコラムを書いた人

人気のキーワード

OFFICIAL SNS

? よくある質問

  • Q

    登録メールアドレスや電話番号、パスワードがわからない

    A

    こちら からご登録のメールアドレスを調べることができますので、お試しください。